患者さんの望む歯科医療の実践に近道はない様な気がします・・
2016年11月18日
「ちゃんと治療をしていれば患者さんはわかってくれる。患者さんはたくさん来てくれる。」これは完全に時代錯誤であって歯科医院がたくさんある現在、歯科医師のそんな思いだけでは患者さんにはきっと伝わらないと思って気を引き締めて日々歯科医療に取り組んでいます。
昔の話になりますが15年くらい前、当時勤務していた虎の門病院で、部長だった山田敏元先生が言ってくださった言葉が今でも忘れられません。
「片平君、患者さんには親切にしなさい」といきなり言われました。でも当時はその意味が全く理解できませんでした。あのときは歯科医師になって数年目、「俺は何でも出来る」と勘違いし、患者さん声ではなく治療ばっかりに(歯ばっかりに)目が向いていたんだと思います。そんな恩師の言葉がやっとよくわかるようになってきました。
当院は都内の歯科医院としては標準的な規模より少し多めの4台の治療イスですが、おかげさまで予約でほぼ一杯です。これは患者さんに当院の考えをご理解頂き、ファンになって頂いたことではないかと感謝しています。
特にこだわっているというわけではないのですが、やはり「カウンセリング」には重点を置いています。考え方にもよりますが色々な場面で説明と同意は大切です。直接利益を上げるわけでもなく時間と場所を使いますが、初診後に一通り診査および診断が済んだ方に限り必要に応じて行っており、当院で治療を行い通院していく患者さんから「安心感」や「満足感」を向上させることは大切だと考えています。
当院には4名の歯科医師(非常勤の矯正認定の先生は除きます)がおります。われわれ歯科医師の世界は職人の世界でもあり、院長の私が出来ないことを勤務医の先生が出来るということはまずありません。
しかし私に負けないように勤務医の先生がたも日々「とても」努力しています。信頼してください。
歯科衛生士はハード面としての医院の清潔・器具の消毒レベルの向上は言うに及ばず、知識技術を磨きわかりやすい言葉で患者さんと大切に接してくれています。だからこそ担当制で大事に患者さんを任せています。
歯科助手も、私の仕事観や医院の理念を理解してくれ一生懸命支えてくれています。
どんな職種も、新人にははっきりと言っています。仕事にはピラミッドがあり掃除から始めてもらう場合もあります。きれいに丁寧に掃除ができれば、仕事は正確で精度も高いことを知っているからです。そんな中、何年もかけてスタッフの成長する姿を見るのは私の喜びのひとつでもあります。
当院はチームワークの良いスタッフばかりでとても恵まれておりますが、ほぼ皆全速力で仕事をこなしており現状アポイント的にタイトな状況が続き皆さまにご迷惑ばかりをお掛けしていますが、そんな事情をご理解頂けますようお願い致します。
最後に近況を・・・
歯科助手・受付の田所史帆がデンタルコーディネーターの資格を取得しました(大阪でのセミナーは2日間びっちりだったようです)。今後は患者さんさまざまな疑問に答えることができるよう頑張ってくれると思います。
中村圭喜先生が日本歯科保存学会の認定医試験に合格しました。臨床症例の報告と筆記試験をクリアしました。私もうれしいです。
医院内勉強会ではテーマに沿った発表だけでなく、外部の衛生士さんの講演や新製品の体験なども行いました。
オペはおよそ月に2回くらいのペースで行っています。そろそろ中村圭喜先生のアシストも1年になります。最近は私も教えて頂いた口腔外科指導医の高橋雄三先生に相談してこっそり猛勉強中のようです。
インプラント学会には久しぶりに参加しました。わたしがもっとアップデートしなくてはいけません。
新しくて良いものは患者さんにとっても利益が大きく、導入しようと歯科医師みなで勉強会に参加し検討しています。
この世界、治療があまり好きではないらしい歯科医師がいることを私は知っていますが、
私はこの仕事が好きです。
今年も残りわずかですが、何卒よろしくお願い申し上げます。