MTA使って思うこと
2016年08月25日
はじめてMTAを使ってから10年近く経ちます。
グラムあたり数万円と大変高価な材料ですが、残せる神経が多い事に
最近の臨床写真を整理していて気がつきます。
しかし、その使用は熟練を要する大変テクニックセンシティブな材料ですし、
この数年やっとコツを掴みつつありますレベルですが(笑)。
新しいケースになりますが、何回か他院でむし歯治療を行い、症状が出ているこのケース。
慎重に古い充填物を除去したところ、すでに神経が露出している状態でした。。。
止血もあまり良くありませんが、MTAをやや強圧で充填。数分後止血を確認します。
穿孔封鎖のInternal Matrix Techniqueに似た考え方で良いのかもしれません。
ただしMTAには性能差がある(と思う派です)のでPro rootを使います。
左隣の第二小臼歯の修復は途中のかっこの悪い写真ではありますが、
右の患歯は2週間後に生活反応を確認し経過観察に入りました(患歯は右の第一大臼歯)。
もう一つ、充填物下にむし歯が広がっており、神経と交通していたこのケース。
こんなに出血してはおりますが、最近はこの程度では怯(ひる)まなくなりました♪
う蝕検知液を用いてむし歯を除去したところ出血していましたが、同様にMTAにて覆罩(ふくとう)し、止血確認後修復しました。こちらも修復後生活反応を確認し経過観察中です。
いくつか条件が条件が揃い、”適切な環境”で”適切に使用する”と非常に素晴らしい性能を発揮するようです。今後は、Complete HealingなのかIncomplete Healing、Uncertain Healing、Unsatisfactory Healing(Failure)なのか臨床症状やレントゲンから長期の経過を見ていく必要はありそうです。。。
成功率が高い事を過信することなく、症例選択のための術前診査や基本術式などのステップを疎(おろそ)かにすることもなく、と肝に銘じて患者さんに向かい合って治療を行っていきたいです。
あたらしいホームページになって約1ヶ月強、せっかくの新ブログですが
全然、患者さん目線でないマニアなブログになってしまいました(>_<)ゞ。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。